まちづくり福祉推進ネット

  お知らせ 通信販売 心眼の窓 聞えの相談室 聞えの街角 ネット知恵袋 法人紹介 アクセス お問合せ  
 
 

聞こえの相談会って?

相談室へのお誘い

相談会考17
相談会考16
相談会考15
相談会考14
相談会考13
相談会考12
相談会考11
相談会考10
相談会考9
相談会考8

相談会考7
相談会考5
相談会考4
相談会考3
相談会考2
相談会考1

2002年9月13日発行 第13号

「聞こえの相談会」考5

さて、現役の人たちは ?

「聞こえの相談会」に重度の人が訪れるようになった。しかも、高齢者である。対応が難しい人たちばかりである。とりわけ、補聴器の装用を中心に考えると、その難しさは悲しいほど深刻である。

最近、目立ったことといえば、高齢者で、聴力の悪化が進み、補聴器では対応できなくなった人たちの存在である。この前まで補聴器で聞こえていた人がアッという間に失聴寸前になったり。このうち、数人の方は人工内耳の手術を受けることになった。果たして、人工内耳で解決できるかどうか、いや解決に至らなくても若干でも聞こえにプラスがあるのかどうか。

こうした方々に限って、「聞きたい」という意欲が旺盛で、いかなる努力も厭わない、という積極型の人が多い。要するに、補聴器で効果が期待できなくなると、残されたものは人工内耳しかないのである。その結果がどうかより、本人の「納得」の方法はこれしかない。つまり、これらの方にとっての、究極の手段なのである。

これまでは、「患者を選んでいた」フシのある病院側でも、このところ、適応条件さえクリアすれば、積極的に手術をするようになっている。大学、病院ともきびしい社会的評価の対象になっており、その際、手術件数の多い少ないがかなり大きなウエイトを占めることになっている、こととも関係していよう。

このうえは、万が一にも件数稼ぎの手術ではなく、手術技術の向上、進歩を心から祈るのみである。

ところで、こういう傾向のなかで、現役で働き、耳が不自由な人たちのことが気になりだした。

日本で1年間に販売される補聴器は41,42万台といわれている。

この数字が多いか、少ないか、は横に置くとしよう。これまで言われてきたように、高齢社会になって、聞こえの不自由な高齢者が増えているにもかかわらず、高齢者の補聴器装用率が低い、という話は、どうも説得力に欠ける。高齢者は結構、補聴器をつけているし、補聴器をつけていない高齢者の場合、試みても結局、補聴器があまり役立たない、というケースが多い感じなのである。

むしろ、現役で働いている難聴者の人の状況が問題なのではあるまいか。

これらの人は中軽度の難聴者、というより、軽度の難聴者が多い。現在の補聴器が最も効果的なレベルの人たちであろう。にもかかわらず、これらの人たちは補聴器店をあまり訪れていないのではないか。

先日、出張先で古い知人に会った。私よりかなり年上の先輩だが、現役でバリバリお仕事をなさっている。ところが、お会いしていて気づいた。かなり聞こえが悪い。「補聴器をつけられては」といったら、背広のポケットから補聴器みたいなものを取り出し、「買ってはみたが、あまり効果がないので、使っていない」ということだった。

それは補聴器というより、拡声器みたいなもので、それではムリですよ、良い補聴器が出てますよ、と言ったものの、購入しそうな雰囲気はなかった。

最近は、テレビでも「拡声器」の宣伝が行われている。忙しさにまぎれて、つい、ああいうものでお茶を濁しているのではないか。それで役に立つ人もいるだろうが、ムリな人もいるのではないか。

どうも、肝心な人たちへの宣伝が行き届かない面がありそうだ。何か、もっと、効果的な宣伝、PRの方法がありそうな気がしている。 

   
Copyright(C)2007-2008 matidukuri.net.All Rights Reserved.